不遇をかこっているときには内面を磨き、将来のための種まきをして、捲土重来
に備えるべきです。そうしておくことで、状況が好転したときに望ましい成果が
出る可能性が高くなるのです。
わたしのビジネス人生を振り返ってみると、決して順風満帆だったわけではあ
りません。サラリーマン時代、生花店時代には挫折も経験していますし、
そんな挫折を味わいながらも、それなりに充実したものになったのはなぜなのか――。
それは、「それでも負けない力」を持っていたからだと思うのです。いくら優
秀でも、一度でも完全に負けて心が折れてしまったら、そこでおしまいです。し
かし、不遇をかこっていても「1勝9分け」の心構えで負けないことに徹し、地道
に爪を研いでいれば、いつか必ずチャンスはやってきます。
ちなみに、1勝9分けとは、現実の勝敗のことではありません。少なくとも自分
には克ち、あとは、とにかく負けないようにする、自分の心まで折れないように
する――ということです。自分に負けなければ、ビジネスでも、人生でも、決し
て負けることはないのです。
その気になれば、自分との勝負には必ず勝てる
わたしは「勝つ」には2種類あると考えています。最後に成功する人は、他人
との勝負に「勝つ」こと以上に、自分に「克つ」ことに強く執着しているもので
す。なぜなら、他人との勝負は、時の運や相手との力関係があるので、必ず勝て
るとは限りませんが、自分との勝負は、その気になれば100パーセント克てます。
やるかやらないか、続けるか続けないかを選ぶのは、ほかの誰でもなく自分自
身です。たとえ些細な行動であっても、自分に克ち続けている人は、長い目で見
れば仕事で安定した結果を出しています。
ただし、ここで勘違いしてほしくないのは、自分に克つのに最も必要なのは、
強い精神力ではありません。自分に克てないのは、意志が弱いからではなく、
「自分に克つための方法」を知らないからです。